奥多摩 探訪

『廃線をたどる』この未知なるものを体験したくて、ギル様に奥多摩への同行を申し出た。
二つ返事で承諾をいただき、期待に胸を膨らませて(それでも標準以下(自爆))、その日を待ちました。
当日は朝からいい天気。電車に乗っていても気持ちがいい。
『奥多摩駅』ここからバスに乗って『探訪』の出発点に向かう。


『奥多摩湖』ここが出発点だ。

前回は駅から出発したそうだが、今回は逆のコースをたどってみる。
バスで一緒だった団体は『むかし道』のほうをたどるらしい。
出発点と到着点は同じなのに、間の歩く道が全然違う。なんかそんなことも面白い。
「いざ、出陣!!!」っと、気合充分なところに子モグラが石焼芋を買って食べている。「こいつは〜〜〜。」

すぐに『石碑』が現れた。
ギル様と大師匠が二人で石碑の『文字』を読んで、色々話している。
こうゆう時に大師匠の『博学』はとてもありがたい。疑問がその場で解決してゆくのだ。
(すみません、私は寒くて軍手をはめるのに忙しくて、聞いていませんでした。)

普通の道を進み、普通の坂を上り、そして・・・普通じゃない斜面を登る。(沢ならば、普通の斜面です。(爆))
普通の道より数メートル高いところにありました・・・『廃線』


ず〜〜〜っと長い年月列車が通っていないことを物語るように、それは錆びていました。
しかし・・・決して朽ち果てた感じではなく、今もまだ列車を乗せてもビクともしないぞ、
っというように堂々と、重厚に横たわっていました。
「この線路を詰めるんだ。」


いきなりトンネルがありました。
先が見えない。ライトの準備をして中へ入ってみる。

ひんやりとしている。天井がものすごく高い。
あまりの暗さにライトを一斉に消してみる。本当に真っ暗闇だ。
山の夜も体験したことあるが、あの時は時間とともに目が慣れてきたが、ここでは違う。
一切の光から遮断された、闇なのだ。自分が今、目を開けているのか?閉じているのか?それさえもわからなくなる。
再びライトを点けて進む。
トンネルの壁が成型されているところと、掘ったままの凸凹状態のところが交互にある。
なぜ???(跡からギル様の『水根線再訪』を読んでわかりました。)

ギル様と大師匠は壁についている、ケーブルを固定していた金具や、線路脇に落ちている工具などを見ては二人で色々詮索している。
実に楽しそうだ。今回も一緒のモーちゃんは「ほら、あの二人はほっといて、先に進むよ。」
っと、そっけない。きっと前回の探訪でもギル様の好奇心に閉口していたのかもしれない(爆)。


トンネルを抜けるとそこは山の中です(あたりまえ)。紅葉には少し遅かったですが、落ち葉が絨毯のようになって、きれいです。
まるで『紅葉狩り』にきたみたいです。そこに『廃線』がなければ・・・。


線路なので当然周りは砂利が敷き詰めてあります。
これが結構歩きづらい。考えてみれば、砂利の上を歩くなんてことはそうそうない。今から、明日の筋肉痛は覚悟しておいたほうがよさそうだ。
線路の横の山の斜面に小さい石垣が階段状になっているところに出た。
これはなにか???みんなでそちらを探索。
っと、大師匠が「これは山葵田だな。」
ギル様が「え〜〜〜?そっか〜〜〜?」っと、信じない。
大師匠「ここに山葵を洗うための洗い場の跡があるよ。」
ギル様「本当だ。こんなのあったの気づかなかった。さすが大師匠。」
ここで少し休憩。おせんべがとても美味しかったです。


こんなところも降りていって探索



先はまだまだ続きます。それでも景色を見ながら、みんなでわいわい言いながら歩いていると楽しい。


あいかわらず、『線路』はどっしりと横たわり、「おまえら〜、もう少し静かに歩けよ〜」っとでも言って・・・ないか(爆)。
しかし・・・『線路』よりもっとすごいものが自然です。
線路と線路の間から伸びた『木』。線路をふさぐように落ちている『巨石』。
人の作ったこの『線路』はすごいけど、でもそれでも山の自然の前では太刀打ちできないのですね。


今回モーちゃんの頭の中には「子モグラが一緒なので、『橋』は渡らない。」という考えがあったようです。
高所恐怖症のモーちゃん。できれば『橋』を渡らずに済ませたかったようです。
しかし・・・『橋』を渡らないと先に進めません。
2本のレールに足を乗せ、命を預ける(大げさ???)。
レール以外の場所、枕木や線路脇の普通なら人が歩くための『木の通路』もすべてがボロボロで、乗ったら即、下まで急降下できそうである。
大師匠はサッサと渡ってしまった。
子モグラはやはり高所恐怖症・・・しかしハイハイしながら進む。
私は子モグラの後から、進む。
モーちゃんはゆっくり、ゆっくり1歩1歩確実に進む・・・っと後ろからギル様がモーちゃんに観光案内をしている。
こんなところでも実に楽しそうだ(ギル様が・・・(爆))


何個目かのトンネルを抜けたところで、お昼にした。
止まると本当に寒い。天気もなんとなく曇ってきた。
私達が、ゆっくり座って休んでいると、ギル様は時間が惜しいかのように、あっちへ行っては写真を撮り、戻ってきては写真を撮り。


私達が歩いている遥か下のほうに普通の道がある。
朝一緒になった団体さんだろうか?人が歩いているのが見える。
見つかるとやばそうなので、静かに歩く。


線路はずっと続いているものだけど、切れているところがあった。
変わりに丸太が渡してある。なぜ?切れたのはなぜ?丸太は誰のため?
ギル様と大師匠が二人でなにやら詮索していたが、私の位置からは聞こえなかった。


私達の道とむかし道の接点にきた。
『ねこ』を曳いた地元のおっちゃんらしき人と出会う。
(怒られるかな〜?)っと思いつつ最高の営業スマイルで・・・「こんにちは〜♪」
「トンネルから来たんかい?気をつけ〜や。」
きっと何人もの人がこのトンネルに魅せられてここを通ったに違いない。
だからいまさら地元の方も怒らないのかもしれない。
安全は各自で確保すれば、よいのだ。
朝の団体さんとすれ違う。「こんにちは〜」「こんにちは〜」笑顔でご挨拶。
ヘッテンを着けた私達を訝しげな目で見ながら、「こんにちは」。


前回ギル様がこの道を見つけてしまった場所を教えてもらった。
たしかにこれなら進んでみたくなる。(写真は撮ってません。ごめんなさい)
そしてここからが今回の本当に目的地。
この先はギル様もモーちゃんも初めての場所です。
まずはトンネル。そして抜けると・・・ん?普通の道?線路はまだあるけど・・・。
今までの山の中を歩いていたのに、一変して人様の住宅の前を歩いている。
「私の家ね〜、前の道に線路があるの〜」って自慢したくなってくるような場所である。
トロッコ。なぜかトロッコ。動くんか?
ちょっと触ってみようとしたその瞬間、前方に人影発見!!!
(やばい!!!)ここはすんなり通り過ごしたほうが得策か?
その人影、こちらを見たまま動かない。(更にやばい!!!)
仕方なく近づいて行く。・・・犬???犬の散歩???
「こんにちは〜、柴犬ですか?吠えないですね。おりこうだ〜」
(犬を飼ってる人は犬が誉められるとたいがい機嫌がよくなる)(モグラ理論)(爆)
「トンネルから来たんかい?」「は・・・い」
「ここはもう線路ないですね」「取っちゃったんだよ。この先まであったんだけどね」
「この先はもうなにもないのですか?」「なにもないよ。ためしに行ってみたらいいよ」
あら、このおばちゃんも親切ではないですか。(これならトロッコをいじっても怒られなかったな。残念)
ではお言葉に甘えて先に進みます。
『線路』はありませんが、線路があった跡はしっかり残ってます。
しばらく進んだら、プレハブの建物。
横から周ってみるとトンネルです。
蓋はされてますが、あきらかに天井や壁がトンネルの形をしています。
ということは線路はここまで来て、またトンネルになるのですね。
この先は進めません。
プレハブの横から巻けそうです。みんなで進んでみる。
線路が続いていそうな場所を探索。神社がありました。
たぶんトンネルはもっと向こう側を通っていたのでしょう。
ギル様と大師匠が四方を見回して、詮索している。
ギル様の推理だと、隠れてしまったところにもう一つトンネルがあって、それから見えているりっぱなアーチ橋につながるのだそうです。
こんな説明をしてくださっているときのギル様は実に楽しそうです。
私は何も調べず、楽をして楽しませてもらっていました。
もう駅舎も見えてきました。
帰りの時間になってしまいました。


今回初めて『廃線探訪』に参加させていただきました。
季節がよかったことも幸いしてか、山の気分を味わいつつ線路に導かれて一日歩きました。
線路という目の前の目的が不思議と足を前に進めてくれます。
そして通ったことの無いトンネル。これは感動です。
そして恐怖と戦いながらの橋(モーちゃんと子モグラ)。本当にすごい高さだったのです。
そして何よりちょっとした発見で、昔のことをあれこれ詮索できて当時はこうだったのかな〜?なんて考えるのが楽しい。
『古代のロマン』とは言いませんが、先人の生活に触れられる。
そんなタイムスリップに似た楽しさがあると、私は感じました。


楽しそうなギル様

本家、ギル様の「水根線探訪」はこちらです。



2007年12月8日(土)   場所  奥多摩   参加者  ギル様   モーちゃん   大師匠   子モグラ   モグラ 

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